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Xアルゴリズム解体新書
12第五部12

見せるか、見せないか

ランキングとは別の仕組み。「表現の自由であって、リーチの自由ではない」の実装。

この章で分かること

  • スコアを下げる仕組みが存在しない事実を知る
  • フォロワーには見えるがフォロー外には出ない構造が分かる
  • どういう行動でラベルが付くかを具体的に把握できる

ここまでは全部「順番」の話でした。この章は「そもそも見せていいか」の話です。完全に別の仕組みで、別のルールで動いています。

答えは3つしかない

結果意味
ALLOW普通に表示する
INTERSTITIAL警告を挟んで表示する(タップで見られる)
DROP表示しない

つまり、Xにおける「リーチ制限」の実体は次のとおりです。

点数をじわじわ減らすことではなく、「フォロワーには見せる/フォロー外には見せない」という、面ごとの出し分け。

二段構えのルールセット

Xは2種類のルールを持っています。ここが設計の核心です。

  • 共通ルール(28本) ── フォロー中の人にもフォロー外の人にも適用
  • 推薦専用ルール(26本) ── フォロー外の人にだけ追加で適用(全部ドロップ)

だから、同じラベルが付いていても、こうなります。

ラベルフォロワーの画面おすすめ(フォロー外)
スパム疑い(高再現)表示される表示されない
悪質URL表示される表示されない
NSFWテキスト表示される表示されない
NSFWアイコン画像表示される表示されない
侮辱的な言動表示される表示されない
地域制限メディア表示される表示されない
コード内のテストが、この非対称性を明示的に検証しています。

完全に非表示になるのは、SPAM / PDNA(審査待ち) / BOUNCE(削除待ち)の3つだけです。X自身の開示ツールでも、他のラベルの効果はすべて「非フォロワーへの推薦から除外」と記述されています。

どういう行動でラベルが付くか

行動結果
NSFW判定0.95以上の画像投稿にラベル → 全面でぼかし+フォロー外に非表示
NSFW画像を1日に3件超アカウントにラベル(7日間)→ 全投稿がフォロー外に出なくなる
直近5投稿のうち3件がNSFW高精度判定同上(7日間)
Grokがスパム判定した返信(0.97以上)投稿にラベル(14日)
危険URL(BAD判定)を含む投稿SPAM完全非表示
危険URL(UNSAFE判定)ラベル4枚同時付与
同じ文面のコピペ投稿コピペスパムのラベル
プロフィールに悪質URLの投稿を固定アカウントにスパムラベル(1週間)
LLMで生成したような投稿スパム疑いラベル(30日)
意味不明なテキスト投稿スパム疑いラベル(30日)
高速連投リプライスパム疑いラベル(30日)
ボット的な行動パターン認証チャレンジ、または凍結
協調的キャンペーン検知恒久凍結

攻略しようとする行動が、分類項目になっている

Grokによる投稿分類には、スパムの細分類が10種類あります。名前がそのまま答えになっています。

  • SpamEngagementFarming ── エンゲージメント稼ぎ
  • SpamEngagementBaiting ── エンゲージメント誘導
  • SpamEngagementTrading ── 相互いいねなどの取引
  • SpamHashTagAbuse ── ハッシュタグ乱用
  • SpamMentionAbuse ── メンション乱用
  • SpamBotProduced ── ボット生成
  • SpamPlatformManipulation ── プラットフォーム操作
  • SpamScamLinks / SpamFinancialScam / SpamCardManipulation

守られる条件もある

条件効果
信用スコアが54以上NSFW・スパム・暴力表現の自動ラベル付けを回避し、人間の審査に回る
スコアが取れない場合、フォロワー25,000人超同上
信用スコア50以上自動執行システムを全スキップ
Gray認証(政府)/Gold認証(企業)自動ラベルではなく人間審査

この「信用スコア」は、フォローの繋がりをたどるPageRank(Googleの元祖アルゴリズムと同じ考え方)で計算されます。認証済みアカウントと、直近7日のいいね・リポストを起点に信用が流れていく設計です。同じ投稿をしてもアカウントによって扱いが違う理由の1つがこれです。

年齢と地域

  • ログアウト状態の閲覧者には表示しない
  • 18歳未満には表示しない
  • 年齢未申告 かつ 16カ国のいずれかにいる閲覧者には表示しない(アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、スペイン、フランス、イギリス、インドネシア、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、フィリピン、ポルトガル、タイ)

なお、閲覧者が「センシティブなメディアを表示する」設定にしていれば、警告なしで普通に表示されます。

自分のラベルを確認する

Xは「Under the Hood」という開示ツールを用意しています。条件はアカウント作成から1年以上前月に10投稿以上、月末から10日後に反映です。段階的な公開中のため、まだ見られない場合があります。