リファレンス
用語集
この資料に出てくる専門用語を、予備知識ゼロの状態から読めるように説明します。
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| 用語 | 説明 |
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おすすめ For You | Xを開くたびに、その場でゼロから組み立てられるタイムライン。 作り置きされた「今日の人気投稿リスト」ではありません。あなたがアプリを開いた瞬間に、あなた専用のフィードが毎回新しく作られます。レストランでいえば、棚から出来合いの弁当を渡されるのではなく、その場で厨房が一皿ずつ作っているようなものです。だから同じ投稿でも、見る人によって順位も、そもそも表示されるかどうかも変わります。最終的に返ってくる投稿は35件だけです。 関連 Home Mixer・候補・パイプライン for_you_candidate_pipeline.rs:194 |
Home Mixer home-mixer | おすすめタイムラインを組み立てる司令塔のサービス。 投稿をかき集め、絞り込み、点数を付け、並べ、広告やおすすめユーザーを差し込むまでを取り仕切ります。料理でいえば、材料の調達から盛り付けまでを回すキッチンの現場責任者です。実際の予測モデルや多様化サービスは別の建物にあり、Home Mixerはそこへ発注して結果を受け取ります。今回の公開コードで、制作者に効く定数のほとんどはここに集まっています。 関連 パイプライン・Phoenix・VMRanker phoenix_candidate_pipeline.rs:225 |
候補 candidate | 点数を付ける前に、とりあえず集められた投稿1件のこと。 1回のリクエストで、フォロー中・フォロー外あわせて約3000件が集められます。オーディションでいえば、審査を受ける権利を得た応募者の一覧です。ここに入らなかった投稿は点数すら計算されないので、「バズるコツ」の議論の大半より、この一次選考に残るかどうかのほうが先に効きます。候補は複数の取得ソースから集められ、重複は先着1件だけが残ります。 関連 Thunder・Phoenix Retrieval・SimClusters・Filter candidate_pipeline.rs:103 |
Thunder | フォロワーに届けるためだけの、極端に単純な投稿倉庫。 本文もいいね数も言語もNSFW判定も保存していません。持っているのは「誰が」「いつ」「どのID」だけです。図書館というより、番号札だけが時系列で並んだコインロッカーに近い仕組みです。並べ方は投稿が新しい順のみで、48時間経つとロッカーから消えます。著者ごとにオリジナル50件・返信+リポスト30件・動画100件という枠があります。 関連 候補・in-network / out-of-network・オリジナル投稿 post_store.rs:36 |
Phoenix | 「この人はこの投稿にどう反応するか」を予測するAI本体。 投稿1件と閲覧者1人の組み合わせごとに、いいね・返信・通報など64種類の行動それぞれの確率を出します。天気予報が「明日の降水確率60%」と言うのと同じで、結果ではなく確率を返すのがポイントです。8層のTransformerで、閲覧者の直近1024件の行動履歴を毎回まるごと受け取ります。モデル自身は記憶を持たないので、数秒前のいいねもその場で反映され得ます。 関連 Transformer・予測ヘッド・予測確率・Scorer xrecsys.py:243 |
Phoenix Retrieval | フォロー外の人に投稿を届ける、拡散の本体となる索引。 フォローされていない人の画面に自然に出るには、この索引に載る必要があります。入口でコミュニティ投稿・返信・リポスト・アダルト判定が無条件に弾かれるので、載れるのはオリジナル投稿(引用を含む)だけです。空港の国際線ゲートのようなもので、そもそも搭乗券が発行されない便があります。載ったあとは、いいね1件で1fav、32件で32favと索引が増えていきます。 関連 候補・オリジナル投稿・in-network / out-of-network phoenixRankAllCandidateProcessor.strato:443 |
SimClusters | 「この投稿を好きな人はあれも好き」で投稿同士を結んだ地図。 いいねの重なりだけを手がかりに、投稿と投稿の近さを測ります。書店で「この本を買った人はこの本も買っています」と並ぶ棚と同じ発想です。載る条件はいいね8件以上で、いいねの重みは8時間で半減します。だから、じわじわ100いいねより、数時間で集中して伸びるほうがこの地図では強く出ます。投稿の年齢上限はここでも48時間です。 関連 埋め込み・候補・Phoenix Retrieval Configs.scala:65 |
VMRanker | 似た投稿ばかり並ばないよう間引く、多様化専門のサービス。 点数を下げるのではなく、選ばれなかった投稿の点数を0にするだけの純粋なフィルタです。上位150件をプールにして、そこから「良さ」と「バラけ具合」のバランスで最大50件を選びます。プレイリストを組むDJが、良い曲でも同じジャンルばかりにならないよう外していくのに似ています。障害で落ちたときは多様化なしでそのまま配信される、fail-open設計です。 関連 DPP・埋め込み・Scorer dpp_model.rs:146 |
DPP Determinantal Point Process | 「良さ」と「重複しなさ」を同時に最大化する選抜アルゴリズム。 行列式点過程という数学の道具で、選んだ集合の中身が互いに似ていないほど値が大きくなる性質を使います。旅行のおみやげを選ぶとき、一番おいしい菓子を5個買うのではなく、味の違う5種を選ぶ判断を数式にしたものだと思ってください。VMRankerはこれを貪欲法で解き、上位150件から最大50件を選びます。面白い副作用として、意味データが取れなかった投稿はランダムなベクトルで代用され、他のどれとも似ていない扱いになるため選抜で有利になります。 関連 VMRanker・埋め込み dpp.rs:205 |
Semantic ID | 投稿の意味を数十個の番号列に圧縮した「内容の指紋」。 本文・著者・メディア・カード・記事・引用元をまとめてAIが読み取り、1024次元のベクトルにしてから、6段階+ハッシュ1段の番号列へ量子化します。長い住所を郵便番号のような階層コードに畳んだもの、と考えると近いです。モデルはこのコードを通じて投稿の中身を認識するので、本文の言語や意味内容は間違いなくランキングに入っています。ただし付与されるのは投稿から180秒後です。 関連 埋め込み・Phoenix・Hydrator semantic_id_hydrator.rs:106 |
埋め込み embedding | 言葉や画像を、意味の近さが距離になる数値の並びに変換したもの。 「犬」と「子犬」は近く、「犬」と「金融政策」は遠い、という関係を座標で表します。街の地図に店をプロットして、近い店ほど似た業種になるように配置し直したイメージです。Xでは投稿の内容表現(Semantic ID の元)にも、SimClustersの類似検索にも、VMRankerの多様化にも使われています。埋め込みが取得できない投稿は、VMRankerではランダムなベクトルで代用されます。 関連 Semantic ID・SimClusters・DPP mm_encoder.py:23 |
Transformer | 系列を丸ごと見て、どこに注目するかを学習するAIの基本構造。 ChatGPTなどの大規模言語モデルと同じ骨格です。文章を読むとき、人は全部の単語を均等に見るのではなく、重要な語に目を戻します。その「注目の配り方」自体を学習するのがTransformerです。Phoenixでは8層・2560次元で、閲覧者の行動履歴1022件と候補64件を1本の列に並べて処理します。候補同士は互いを参照できない設計なので、同じバッチに何が入っていても自分のスコアは変わりません。 関連 Phoenix・予測ヘッド・埋め込み recsys_attention.py:29 |
予測ヘッド prediction head | モデル本体の最後に付く、行動1種類ごとの出力口。 1つのモデルが、いいね用・返信用・通報用……と用途別の蛇口を並べて持っているイメージです。Phoenixは二値の行動を64枠、連続値を8枠出力します。二値ヘッドは「その行動をする確率」を、連続ヘッドは滞在秒数などの量を返します。ブックマークも予測ヘッドとしては存在しますが、後段の26項目に固定の係数はありません。 関連 Phoenix・予測確率・ウェイト recsys.proto:230 |
予測確率 predicted probability | 「この閲覧者がその行動をしそうか」をモデルが見積もった0〜1の数値。 係数が掛かる相手は、実際に起きた回数ではなくこの確率です。ここを取り違えると数字の意味が正反対になります。健康診断の「10年以内の発症リスク3%」と同じで、まだ何も起きていない段階の見積もりです。たとえばリンクコピーの確率が3%なら、係数20を掛けて寄与は0.6点。誰かが本当にコピーしたかどうかは、この計算に一切関係しません。 関連 ウェイト・予測ヘッド・Scorer ranking_scorer.rs:447 |
ウェイト weight | 予測確率に掛ける固定の係数。26項目ぶんが公開されている。 Xが「この行動をどれくらい大事だと思っているか」を表す値です。音楽のミキサーで、ボーカルのつまみを上げてドラムを下げるのに似ています。リンクコピー共有が+20.0で最大、返信・引用・DM共有が+5.0、いいねは+0.5、通報が-234.0。通報の係数が極端に大きいのは、通報が起きる確率がいいねの1000分の1以下で、係数を大きくしないとランキングに影響できないからです。 関連 予測確率・Scorer・相互フォロー param.rs:308 |
in-network / out-of-network IN / OON | 閲覧者がその著者をフォローしているか(IN)、していないか(OON)。 この1つの区別が、Xのアルゴリズムのほぼ全域に効いています。同じ町内会の掲示板に貼るか、駅前の掲示板に貼るかの違いだと思ってください。フォロー外の投稿にはスコアが一律0.75倍。フォロー外のリポスト・返信はフィルタで落とされます。安全性チェックも面ごとに別のルールセットが当たり、フォロー外向けのほうが26本ぶん厳しくなっています。 関連 Visibility Filtering・Phoenix Retrieval・Thunder param.rs:247 |
相互フォロー bidirectional follow | お互いにフォローし合っている関係。返信の係数が4倍になる条件。 閲覧者と著者が相互フォローで、かつその投稿が返信でもリポストでもないオリジナル投稿のときだけ、返信の係数が5.0+15.0=20.0になります。3つの条件が全部そろって初めて発動する、鍵が3本必要な金庫のような仕組みです。よく誤解されますが、相互フォローでも返信やリポストにはこのボーナスは付きません。なお相互フォローの重なり具合(Jaccard類似度)はランキングに一切使われず、使われるのは相互かどうかの真偽値だけです。 関連 ウェイト・オリジナル投稿・in-network / out-of-network param.rs:311 |
Hydrator | IDだけの候補に、本文や著者情報などの中身を付け足す部品。 候補が集まった直後は、投稿IDと著者IDくらいしか分かりません。そこへ本文・メディア・言語・フォロワー数・NSFWフラグ・エンゲージメント数などを外部から取ってきて肉付けします。名簿の名前だけの行に、住所と写真を貼っていく作業に近いです。閲覧者側にも20種のHydratorがあり、ブロック・ミュート・フォロー・行動履歴などを集めます。選抜前に付く情報だけがスコアに効き、選抜後に付く情報は効きません。 関連 候補・Filter・Semantic ID phoenix_candidate_pipeline.rs:326 |
Filter | 条件に合わない候補をその場で消す門番。スコア前に18個、選抜後に3個。 順位を下げるのではなく、候補集合から消します。空港の保安検査と同じで、引っかかったら先に進めません。しかも宣言順に逐次適用されるので、前段を通ったものだけが次段に渡ります。制作者に効くのは48時間の年齢制限、フォロー外のリポスト・返信の遮断、閲覧者のミュートキーワード、他人のブロック関係による巻き添え、既読判定あたりです。 関連 候補・Hydrator・Bloomフィルタ・Visibility Filtering phoenix_candidate_pipeline.rs:345 |
Scorer | 残った候補に点数を付ける工程。3つが順番に走る。 PhoenixScorerが予測確率を取り、RankingScorerが係数を掛けて合計し補正を入れ、VMRankerが多様化します。採点競技で、技術点を出す審判・係数を掛ける計算係・全体のバランスを見る審判が順に入るようなものです。RankingScorerの中では、合計のあとにオフセット変換・新人枠・同一著者の減衰・フォロー外割引がこの順で適用されます。 関連 Phoenix・ウェイト・VMRanker・コールドスタート ranking_scorer.rs:851 |
Selector | 点数順に上位だけを切り出す工程。ここでは50件。 採点が終わった候補を降順に並べ、上位50件だけを次へ通します。試験の合格発表で、点数順に定員ぶんだけ線を引くのと同じです。重要なのは「点数0を明示的に落とすフィルタは存在しない」ことで、VMRankerに0点にされた候補はここで自然に沈んで消えます。この50件がさらに切り詰められ、最終的に返る投稿は35件です。 関連 Scorer・VMRanker・パイプライン config.rs:17 |
パイプライン candidate pipeline | 候補取得から最終組み立てまでの12段の処理の流れ。 閲覧者情報の収集、候補取得、情報の肉付け、18個のフィルタ、3つのScorer、上位50件の選抜、後段の肉付け、3つのフィルタ、35件への切り詰め、仕上げ、副作用の記録という順に進みます。工場のベルトコンベアで、各工程が前の工程の出力だけを受け取る形です。だから上流で落ちた投稿は、下流でどれだけ良くても復活しません。 関連 Home Mixer・候補・Filter・Selector candidate_pipeline.rs:97 |
Visibility Filtering VF | 「そもそも表示していいか」を順位とは完全に別に判定する仕組み。 出せる答えはALLOW(普通に表示)、INTERSTITIAL(警告を挟んで表示)、DROP(表示しない)の3つだけです。信号機と同じで、青・黄・赤しかなく「少し暗くする」という選択肢がありません。実際、降格を意味するDownrankはプロトコル上定義されているのに、それを出すルールはコードに1本もありません。そのかわり、フォロー中向けとフォロー外向けで別のルールセットが当たります。 関連 セーフティラベル・ドロップ・インタースティシャル・in-network / out-of-network mod.rs:159 |
セーフティラベル safety label | 投稿やアカウントに付く、安全性の判定タグ。 スパム疑い、悪質URL、NSFW、暴力表現などが投稿単位・アカウント単位で付きます。図書館の本に貼る「閲覧注意」シールのようなもので、本を捨てるわけではなく、置く棚が変わります。実際、完全に非表示になるのはSPAM・PDNA・BOUNCEの3種だけで、残りは「非フォロワーへの推薦から除外」です。だから「消されていないのに誰にも届かない」という状態が成立します。 関連 Visibility Filtering・botmaker・Under the Hood・ドロップ user_label_drops.rs:52 |
インタースティシャル interstitial | 警告を挟んだうえで、タップすれば見られる表示形式。 投稿の上に一枚カバーをかぶせて「センシティブな内容が含まれます」と出す表示です。本にかかった帯を外せば読める、という状態に近いです。発動には3条件すべてが必要で、ラベルがあること、閲覧者が著者本人でないこと、閲覧者が「センシティブなメディアを表示」設定にしていないことです。設定をオンにしている人には、警告なしで普通に表示されます。 関連 Visibility Filtering・セーフティラベル・ドロップ nsfw_interstitial.rs:22 |
ドロップ Drop | その閲覧者には表示しない、という最も強い判定。 順位が下がるのではなく、画面から完全に消えます。評価は「Drop優先・先勝ち」で、1本でもDropを返すルールがあればそこで確定します。裁判でいえば、他の証拠を見る前に却下が決まるようなものです。ただし著者本人は常に自分の投稿を見られるので、自分では消えたことに気づけません。通知も届きません。 関連 Visibility Filtering・インタースティシャル・セーフティラベル mod.rs:86 |
Grok grox | 投稿の中身をLLMで読んで、安全性やスパムを分類する仕組み。 ポリシーカテゴリ10種と細分類34種を持ち、そのうち10種がスパムの下位分類です。エンゲージメント稼ぎ、エンゲージメント誘導、相互いいねの取引、ハッシュタグ乱用、メンション乱用などが名指しで定義されています。万引き防止カメラが「商品を服に入れる動作」を型として覚えているようなもので、攻略のつもりの行動そのものが検知対象として設計されています。返信のスパムスコアが0.97以上だと14日間のラベルが付きます。 関連 セーフティラベル・エンゲージメント誘導・botmaker state.py:24 |
botmaker | モデルのスコアを実際のラベル付与に変換するルールエンジン。 「NSFW判定が0.95以上ならこのラベルを7日間」といった条件を、設定ファイルとして書き並べたものです。工場の検査ラインで、測定器の数値を見て合格印・要再検査印を押す係にあたります。できるのはラベルの付与と解除、URL評判の読み書き、人手審査の依頼まで。投稿削除やアカウント凍結の機能はここにはなく、それは別サービスの役割です。 関連 セーフティラベル・agatha・user-cred-v2・Grok ApplyNsfwUserLabel.df:30 |
agatha | 「いいねに対する通報・ブロックの比率」でスパム性を測るシステム。 絶対数ではなく比率を見るのが特徴です。飲食店のレビューで、星1の件数そのものより「全体に占める星1の割合」を見るのに似ています。集計に使ういいねはフォロー外のものだけで、通報は180日遡って数えます。比率が一定を超えると投稿に1週間のスパムラベルが付きますが、信用スコア54以上のアカウントは対象外になります。 関連 botmaker・user-cred-v2・セーフティラベル AgathaLabelManager.scala:13 |
bdsm | 行動の時系列パターンから、非真正アカウントを検出するモデル。 何を投稿したかではなく、いつ・どの間隔で行動したかを見ます。フォローとアンフォローの周期、機械的に等間隔ないいね、バースト的な連投など、人間ならまず起きないリズムを拾います。防犯システムが、足音の間隔だけで人か機械かを見分けるようなものです。8つの検出ヘッドを持ち、執行には最低30アクションが必要ですが、本番の閾値だけは公開コードでは伏せられています。 関連 agatha・botmaker・セーフティラベル heads.py:16 |
user-cred-v2 | フォローの繋がりをたどって計算される、アカウントの信用スコア。 認証済みアカウントと直近7日のいいね・リポストを起点に、信用が水のようにフォローグラフを流れていく設計です。信用のある人からフォローされているほど高くなります。最大の用途は罰ではなく保護で、54点以上だと自動NSFWラベルを回避して人間審査に回り、50点以上だと自動執行システムそのものを全スキップします。スコアが取れない場合はフォロワー2.5万人超が代わりの条件になります。 関連 PageRank・セーフティラベル・botmaker・agatha UserCredV2.scala:10 |
PageRank | 「重要なところからリンクされているほど重要」と定義する古典的な指標。 Googleの初期検索を支えた考え方で、ウェブページをリンクで辿る代わりに、Xではフォロー関係を辿ります。人づての紹介で、信頼できる人から紹介された人ほど信頼される、という連鎖を数式にしたものです。Xの実装では、ジャンプ確率0.2で最大50回反復し、対数を取ってから0〜100に丸めます。フォロワー数を数えるだけの指標ではないので、フォロワーが少なくてもスコアが高いことがあります。 関連 user-cred-v2 UserCredV2.scala:10 |
Under the Hood | 自分の投稿・アカウントに付いたラベルを確認できる開示ツール。 投稿ラベル18種・アカウントラベル12種について、何件に付いたか・何日間付いていたかを集計して見せます。カルテを開示してもらうのに近い仕組みです。条件はアカウント作成から1年以上かつ前月に10投稿以上で、月末から10日後に反映されます。開示文を読むと実態がよく分かり、投稿ラベル18種のうち「Xに表示されない」のは3種だけで、残りとアカウントラベル12種はすべて「非フォロワーへの推薦から除外」です。 関連 セーフティラベル・Visibility Filtering underTheHoodReport.User.strato:16 |
Feature Switch | コードを書き換えずに、設定ファイルで挙動や数値を切り替える仕組み。 公開されている数値はすべて既定値であって、確定値ではありません。舞台の照明卓のようなもので、同じ舞台装置でもつまみひとつで見え方が変わります。しかも上書きは閲覧者ごとだけでなく投稿者ごとにも起こり得ます。実運用の設定ファイル本体は公開コードに含まれていないため、外部から現在値を知る方法はありません。 関連 A/Bテスト・ウェイト author_rules.rs:21 |
A/Bテスト | 一部の利用者にだけ違う設定を当てて効果を比べる実験。 同じ日に同じ投稿をしても、人によって当たっている設定が違うことがあります。新商品の試食を店舗ごとに味を変えて出し、売れ行きを比べるのと同じ発想です。Xでは閲覧者単位だけでなく投稿者単位のバケット割当も実装されているため、「自分だけ伸びない」の一因になり得ます。この記事群の数値は、公開コミット時点のスナップショットとして読んでください。 関連 Feature Switch author_rules.rs:21 |
動画品質視聴 VQV | 動画がきちんと視聴されたと判定される行動。係数は+0.05。 再生ボタンが押された、ではなく「ちゃんと見られた」に近い指標です。ただし発動条件が厳しく、動画の尺が10秒を超えていないと加点対象になりません。さらに閲覧者のフォロワーが1万人以上だと、この項目は問答無用で0にされます。同じ動画でも、見る人のフォロワー数によって加点の有無が変わる数少ない項目です。 関連 ウェイト・予測ヘッド candidates_util.rs:19 |
滞在時間 dwell time | その投稿の上に留まった秒数。1秒あたり+0.004。 重要なのは、二値の「滞在した/しなかった」と連続値の「何秒いたか」が別項目で、二値のほうは係数0.0だという点です。図書館で本を手に取ったかどうかではなく、何ページ読んだかを測っている、と考えると近いです。連続値のほうは0〜30秒でクリップされるので、30秒を超えても加算は増えません。30秒滞在で+0.12点となり、いいね(係数0.5)と同程度の重みになります。 関連 ウェイト・予測ヘッド param.rs:402 |
未探索 post unexplored | まだ十分に配信されていない投稿に付く小さな加点。係数+0.02。 新しい在庫を少しだけ試してみる、という探索のための項目です。スーパーが新商品を目立つ棚に少しだけ置いてみるのに似ています。ただし既定では「フォロー中の投稿にしか付かない」設定になっているので、フォロー外への拡散を助ける効果はありません。係数も0.02と小さく、他の項目に比べれば誤差に近い大きさです。 関連 ウェイト・in-network / out-of-network param.rs:378 |
著者多様性 author diversity | 同じ著者の投稿が並ぶほど、2本目以降を減点する補正。 自分より上位にある自分の投稿の本数をkとして、倍率が0.5のk乗で減っていきます。2本目0.625倍、3本目0.4375倍、4本目0.34375倍で、下限は0.25です。ビュッフェで同じ料理を何度も取ると、皿が小さくなっていくようなものです。1人が同じフィードを埋め尽くすことは構造上できません。 関連 Scorer・ウェイト param.rs:229 |
コールドスタート AuthorColdStart | 小さいアカウントの投稿を1件だけ救い上げる新人枠。 「新人が全体的に優遇される」仕組みではありません。1回のリクエストにつき条件を満たす投稿を1件だけ選び、その点数を16位相当まで引き上げます。掛け算のブーストではなく、席を1つ確保するイメージです。条件は、返信でない・リポストでない・著者のフォロワー1000人以下・その投稿の表示1000回未満・点数付き候補の上位85%以内、の全部です。 関連 Scorer・オリジナル投稿 author_cold_start.rs:306 |
Bloomフィルタ Bloom filter | 「もう見た投稿か」を省メモリで判定する確率的データ構造。 全部のIDを覚える代わりに、ハッシュの痕跡だけを記録します。名簿を持たずに「この特徴の人は来た気がする」で判定する受付のようなもので、来ていない人を来たと誤認することがあります。この偽陽性のせいで、一度も見られていない投稿が「既読」と判定されて消えることが確率的に起こります。制作者側からは検知も回避もできません。 関連 Filter・Hydrator impression_bloom_filter_query_hydrator.rs:22 |
ブランドセーフティ brand safety | 広告の隣に置いていい投稿かどうかの判定。リーチには効かない。 投稿が何人に届くかではなく、広告と並べられるかだけを決めます。雑誌で、記事の内容によっては広告ページを隣に置かない編集判断と同じです。判定は厳しい側に倒れ、Grokがまだ採点していない投稿も自動的に中リスク扱いになります。しかも本体・引用先・全祖先の中で最悪の値が採用されます。 関連 セーフティラベル・Visibility Filtering brand_safety.rs:40 |
snowflake ID | 投稿IDそのものに作成時刻が埋め込まれているID形式。 IDを22ビット右シフトして基準時刻を足すと、投稿されたミリ秒が復元できます。荷物の伝票番号の先頭に受付日時が入っていて、番号を見るだけで日付が分かるようなものです。おかげで48時間の年齢判定はデータベースに問い合わせずに済みます。逆に、IDから時刻を読めなかった投稿は安全側に倒して落とされます。 関連 Filter source.rs:14 |
オリジナル投稿 | 返信でもリポストでもない投稿。引用ポストもこちらに含まれる。 3つの独立した仕組みが、そろってこの条件を要求します。フォロー外へ広がる索引の入口、相互フォローの+15ボーナス、新人枠の対象条件です。加えて、フォロー外割引0.75倍を免れるのもオリジナル投稿だけです。四つ角の全部に同じ看板が立っているようなもので、コードが最も一貫して要求している条件だと言えます。 関連 Phoenix Retrieval・相互フォロー・コールドスタート・Thunder phoenixRankAllCandidateProcessor.strato:443 |
エンゲージメント誘導 SpamEngagementBaiting | 反応を促す呼びかけそのものを指す、スパム細分類のひとつ。 「いいねしてください」「リンクをコピーして共有してください」といった直接の呼びかけが、名指しで分類項目になっています。近縁にエンゲージメント稼ぎ、相互いいねの取引、ハッシュタグ乱用、メンション乱用があります。試験対策のカンニングペーパーが、試験官のチェックリストにそのまま載っているような構図です。係数は他人の予測確率に掛かるものなので、呼びかけても点数は動かず、分類にだけ当たります。 関連 Grok・セーフティラベル・ウェイト state.py:24 |